車中泊で暖房とバッテリーが必要なケースとは?
車中泊をする場合、季節に応じて準備するものが異なります。
例えば夏以外ですと夜間は冷え込むこともあるため、防寒対策が必要です。
防寒対策と言っても、防寒着や寝具だけでは足りないために暖房もあったほうがいい場合もあります。
私が車中泊する時は、布団を持っていきます。
布団はかさばるため、持っていくのに大きな荷物になってしまうというデメリットがありますが、普段と同じ寝心地であることと布団がシートの段差を軽減してくれるため、快適な睡眠を得られるというメリットがあります。
布団を使用する場合は主に1人で車中泊する場合で、荷物に余裕がある時に限るので、それ以外の条件であればマットレスと寝袋がベストかと思いますね。
そして寝具だけでなく夏以外の季節に車中泊する場合は、夜間の冷え込みを考慮する必要があります。
車中泊での防寒対策は?
道の駅等で車中泊をしていると、エンジンをかけたまま休んでいる人がいます。
エンジンをかけていればエアコンが使用できますので、車内は快適になりますね。
しかしエンジンをかけたままというのも不安があるかと思います。
例えば排気ガスの侵入、バッテリー切れ、ガス欠等が想定されます。
排気ガスが侵入するケースは、自車のマフラーが塞がってしまい逆流した場合に起こりますが、主に雪で塞がるのが原因になります。
それ以外にも、隣に駐車している車の排気ガスが侵入する可能性もあります。
特に隣がトラックの場合は、マフラーが車体の横から出ているため排気ガスが入りやすい位置にあるという点が怖いですね。
排気ガスが侵入すると一酸化炭素中毒になるので、排気ガスが侵入する可能性を排除することは必要といえます。
バッテリー切れに関しては、アイドリング状態ではオルタネーター(発電機)の効率が下がるため、徐々にバッテリーが減っていきます。
特にエアコンを使うと消費電力が大きいため、バッテリー上がりの可能性が高まります。
アイドリング時に消費するのは、ガソリンもそうです。
アイドリング時のガソリン消費量は、1時間あたり約1リットルにもなります。
8時間車中泊をすれば8リットルものガソリンを消費するので、長距離移動でガソリンが少ない状態のまま車中泊中にアイドリングをしていればガス欠という可能性が高まります。
以上のことから、車中泊中にアイドリングをするのは避けるべきであるといえます。
車のエアコン以外に暖房をとる方法としては、ヒーターを導入することが考えられます。
車中泊でできる防寒のための準備は?
車のエアコンが使えないとしても、どうしても寒いと感じる場合はあります。
そのような場合は、小型のヒーターを持っていくのが良いと思います。
ヒーターにも様々な種類があり、例えばセラミックファンヒーターや電気ストーブが思いつくかと思います。
家庭で使用するファンヒーターですと灯油等を使用するかと思いますが、車内で使用することを考えれば安全な電気式に限定されます。
ここでセラミックファンヒーターと電気ストーブのメリット、デメリットを上げてみました。
暖房器具 | メリット | デメリット |
---|---|---|
セラミックファンヒーター | 温風が車内を循環することで全体的に温まる | 出力が低いと車内全体が温まるまでに時間がかかる、騒音が発生 |
電気ストーブ | 本体が安く、故障しにくい | ストーブの近くでないと暖かくない、やけどの危険性がある、出力が高いものは本体が大きい |
セラミックファンヒーターと電気ストーブは暖房として最適?
ともにエアコンに比べると暖房能力が劣るので、車内全体を暖かくしたいという目的であれば難しいと思います。
ただし要所を暖かくすることはできますので、全く使えないわけではありません。
重要なのは設置する場所で、運転席側に置くのかトランク側に置くのかでも変わって暖まる範囲が異なります。
理想はうまく天井に設置できれば、車内の中心から暖められるのでもっとも効率が良さそうです。
その場合は、電気ストーブはサイズが大きいため、小型のセラミックファンヒーターが向いていそうですね。
最強の暖房器具は電気毛布?
車内を暖めるという発想ではなく自身を暖めるという発想に変えれば、最強の暖房器具は電気毛布と言えそうです。
電気毛布であれば、消費電力はセラミックファンヒーターの弱運転以下で暖かさはそれ以上です。
暖房器具 | 消費電力 W |
---|---|
セラミックファンヒーター | 500~1200 |
電気ストーブ | 400~800 |
電気毛布 | 50~80 |
(参考)エアコン | 1000 |
毛布の敷くだけでなく包まれば、全身に暖房効果が得られるので安定して暖かい状態となります。
暖房を使う点で懸念となっているのが消費電力でして、速く暖かくしようと考えて出力の高い暖房器具を使用すると消費電力が高くなります。
消費電力が大きいと電力を共有するために大容量のバッテリーをたくさん用意する必要があるため、荷物が増えますし、経済的でもありません。
電気毛布は最大出力にしても80W以下ですので、他の暖房器具に比べて電力の消費を抑えることができ長時間使用しても気になりません。
暖房器具を使用するためにはバッテリーが必要
暖房器具を使用するためには、電力の供給が必要です。
車中泊に使用できるバッテリーは、AC電源が使用でき、携帯できるものが最適です。
また、バッテリーの容量が暖房器具に必要な電力を満たしているかも把握していなければなりません。
例えば電気毛布の消費電力が50Wのものですと、150Wh程度の容量のバッテリーであれば6時間程度稼働できるようです。
セラミックファンヒーターのように500W以上の消費電力がある暖房器具の場合は、500Wh程度の容量のあるバッテリーでないと厳しいと思われます。
また、バッテリーを充電したい場合を考慮して、車のシガーソケットから給電できるタイプを選ぶと便利かと思います。
特に連泊の場合は、1晩でバッテリーを使い切る可能性があるため、移動中に充電しておく必要があるからです。
他にもできる防寒対策
車中泊で寝袋を使用する場合、夜間の気温を考慮してできるだけ低い温度で使用するタイプを選ぶことも重要です。
寝袋は使用する環境の気温に合わせてラインナップされていますので、気温が低い環境での使用には商品の温度範囲を確認し、その温度が使用する環境に合っているかをみておくことが必要です。
また寝袋で使用されるダウンには、フィルパワーが表記されていると思います。
フィルパワーとは、羽毛のかさ高さを示しており、数値が大きいほど羽毛の体積が大きいため暖かくなります。
同じような商品でどちらが暖かいか迷った場合は、フィルパワーを比較してみると良いと思います。
さらにフィルパワーが大きいと、体積の大きな羽毛ほど収縮するのでコンパクトに収納でき、持ち運びがしやすいというメリットもあります。
フィルパワーが大きいほど価格は高くなりますので、自分の用途に合わせて選ぶと良いと思います。
車中泊は場所も季節も選ばない
車中泊は、やりたいと思ったらすぐにできるのが魅力です。
ホテルの予約も必要ないので、思い立ったらすぐに出かけて行った先で計画を立てることも可能です。
そのためシーズン中は道も観光地も混んでいますが、シーズンを避けて行くことも可能になってきますね。
また道の駅はますます設備が充実しており、食事や温泉まであるとこもありますので、道の駅巡りをしても楽しめると思いますよ。
事前にどんな道の駅があるかだけは確認しておいたほうが良さそうです。
車中泊するなら季節は秋がもっとも気候が良いため、快適な車中泊になると思いますが、今回の取り上げたような防寒対策を取り入れることで冬でも車中泊が可能になってきます。
その場合にアイドリングさせて、エアコンをつけたまま眠ることだけは気をつけてくださいね。
隣のスペースにトラックが駐車している場合も、騒音や排気ガスが気になりますので、避けて駐車するのがベストです。